日本の音楽市場の「CD」と「配信(サブスク)」の売上が逆転間近!割合が56:44に【2022年】

日本の音楽市場の「CD」と「配信」の売上が逆転間近です。

2022年1〜12月の日本の音楽市場の売上は、CDなどの「オーディオレコード」が1,349億円、サブスクなどの「音楽配信」が1,050億円となりました(参考: ’22年の音楽配信売上、初の1,000億円突破。ストリーミングは前年比125% – AV Watch)。

これを割合にすると、「オーディオレコード (CD等)」が56%、「音楽配信 (サブスク等)」が44%となっています。

つまり、日本の音楽市場のCDの売上に配信の売上が迫ってきており、いよいよ逆転間近であるのです。

そんなわけで今回は、「日本の音楽市場のCDと配信の売上が逆転間近」について見ていきましょう。

日本の音楽市場の「CD」と「配信(サブスク)」の売上が逆転間近

日本の「CD」と「配信」の割合が56:44に

2022年1〜12月の日本の音楽市場の売上は、「オーディオレコード」が1,349億円、「音楽配信」が1,050億円となりました(参考: ’22年の音楽配信売上、初の1,000億円突破。ストリーミングは前年比125% – AV Watch)。

これは割合にすると、「オーディオレコード」と「音楽配信」の比率が56:44となります。

「オーディオレコード」には、CD、アナログディスク(レコード)、カセットテープなどが含まれ(参考: 生産実績 過去10年間 オーディオレコード全体)、「音楽配信」には、サブスクリプションや広告型のストリーミング、購入型のダウンロードなどが含まれています(参考: 音楽配信売上実績 過去10年間 全体)。

これまで日本の音楽市場は、CDによる売上が圧倒的に強かったため、「日本では配信は流行らない」とまで言われてきました。

ところが、「Apple Music」や「Spotify」、「Amazon Music」などの定額制(サブスク)で聴き放題の音楽配信サービスが日本でも人気を集めてきており、「音楽配信」の売上が初めて1,000億円を突破しました。

「着うた」の全盛期を超えて新たな「音楽配信」の黄金期がやってくる

これまで日本の「音楽配信」の売上は、「着うた」の全盛期であった2009年の909億円が最高でしたが、同じ頃に日本で「iPhone」が発売され、その後スマホの普及とともに着うたブームが終焉していきます(参考: 音楽配信売上実績 項目別推移)。

その頃海外では、楽曲のダウンロード販売の「iTunes Store」が流行っていたものの、日本にはCDレンタルという特殊なシステムがあったため、わざわざ楽曲をフルプライスでダウンロード購入するよりCDをレンタルして「iTunes」にリッピングした方が安上がりという現象がありました(しかも合法)。

さらに、当時は「iTunes Store」に日本のアーティストの楽曲が少なかったこともあって、なおさら日本では楽曲のダウンロード購入が定着することもなく「音楽配信」の売上は失速していきました。

2013年には売上が416億円まで落ち込み、いよいよ日本市場の「音楽配信」も終わりかと思われたのですが、「Amazon Music」が日本でサービスを開始した2014年から少しずつ息を吹き返し始めます

2015年には、「Apple Music」、「LINE MUSIC」、「AWA」、2016年には「Spotify」といった音楽ストリーミングが続々と日本でサービスを開始し、「音楽配信」の新しい時代が始まりました。

その後、2018年には644億円、2019年には706億円、2020年には782億円、2021年には895億円、そして2022年には1,050億円といった具合に、毎年成長を続けています。

日本における定額制(サブスク)音楽配信サービスの利用者は海外に比べるとまだまだ少ないため、今後も成長する見込みがあります。

このまま成長が続けば、「音楽配信」の売上は「CD」を余裕で上回り、2020年代は新たな「音楽配信」の黄金期がやってくることになります。

視聴はこちら: トップ100:日本 – Apple Music

今の日本のCD市場を支えているのはジャニーズと秋元グループ

今の日本のCD市場はどうなっているのでしょうか。

2022年のCDシングル売上年間ランキングを見ると、

  1. King & Prince – ツキヨミ/彩り
  2. Snow Man – オレンジkiss
  3. Snow Man – ブラザービート
  4. 乃木坂46 – 好きというのはロックだぜ!
  5. 乃木坂46 – ここにはないもの
  6. INI – I
  7. なにわ男子 – The Answer/サチアレ
  8. 乃木坂46 – Actually…
  9. King & Prince – TraceTrace
  10. なにわ男子 – ハッピーサプライズ

という、年間トップ10のうち6曲がジャニーズ、3曲が秋元グループという結果になっています(参考: オリコン年間 シングルランキング 2022年度 | ORICON NEWS)。

ジャニーズは新曲のCDを3〜4種類に分けて販売したりと(参考: 《史上最多1300万枚超えの衝撃》ジャニーズファンがCDを買う“3つの理由” 「ライバルとの争いは『枚数の暴力』でしか…」 | 文春オンライン)、苦肉の策で売上を水増ししているようです。

以前の秋元グループは新曲を出せばミリオンヒットが当たり前といった具合でジャニーズを上回る強さだったのですが(参考: オリコン年間 シングルランキング 2019年度 | ORICON NEWS)、2020年からはコロナ禍で握手会が行えなくなった結果売上が大幅に減少し、いよいよ化けの皮が剥がれてきた印象です。

このように、日本のCD市場はジャニーズと秋元グループが支えている状態です。

ここで、CD、アナログディスク(レコード)、カセットテープなどが含まれる「オーディオレコード」の売上を見てみると、2013年の1,980億円から、2022年の1,349億円へと68%程度に減少しています(参考: 生産実績 過去10年間 オーディオレコード全体)。

「日本のCD市場は意外と耐えている」と言っている人もいるのですが、よくよく見てみると崩れかけのジェンガであることが分かると思います。

ジャニーズと秋元グループの2本の柱が、崩れかけているCD市場というジェンガをなんとか支えているのです。

もしも今の日本のCD市場を支えているジャニーズと秋元グループが抜け落ちてしまった場合、日本のCD市場は一気に崩壊することになりそうです。

音楽ソフト(CDとDVD)の合計は配信よりもまだまだ高い

「オーディオレコード」と「音楽配信」の売上が56:44と迫ってきているのですが、「音楽ビデオ」の存在を忘れてはいけません。

「音楽ビデオ」には、主に音楽DVD/Blu-rayの売上が含まれていると思われるのですが(詳細が記載されていないので不明)、こちらが2022年は674億円となっていました(参考: 生産実績 過去10年間 音楽ビデオ全体)。

そして、音楽のCDとDVDを合わせた「音楽ソフト」の売上は2,023億円となっています(参考: 生産実績 過去10年間 音楽ソフト(オーディオ/音楽ビデオ合計))。

「音楽ソフト」と「音楽配信」の売上を比率にすると、66:34とまだまだ「音楽ソフト」が「音楽配信」を引き離しています

ちなみに、2022年の「DVD」の売上トップ10を見ると(参考: オリコン年間 DVDランキング 2022年度 | ORICON NEWS)、

  1. This is 嵐 LIVE 2020.12.31
  2. Snow Man LIVE TOUR 2021 Mania
  3. King & Prince CONCERT TOUR 2021 ~Re:Sense~
  4. なにわ男子 First Arena Tour 2021 #なにわ男子しか勝たん
  5. Johnny’s Festival ~Thank you 2021 Hello 2022~
  6. SixTONES Feel da CITY
  7. BTS 2021 MUSTER SOWOOZOO DVD
  8. BTS Memories of 2021 DVD
  9. Kis-My-Ft2 LIVE TOUR 2021 HOME
  10. BTS WORLD TOUR ‘LOVE YOURSELF:SPEAK YOURSELF’[THE FINAL]

といった具合に、「DVD」の売上もジャニーズが支えている状態のようです。

本気で音楽を所有したい人はレコードがおすすめ

ここで、「サブスクだと音楽の所有感がない」と困っている人もいると思います。

そこでオススメになるのが、「アナログレコード」です。

不思議なことに、海外ではサブスクが流行るごとに「レコード」の売上も増えていている状況で、それだけ音楽を所有したいと感じている人が多いようです。

世界一の音楽大国であるアメリカでは、ついに2022年にCDとレコードの売上が逆転しました(参考: 米国でレコード人気、CDの販売枚数上回る 35年ぶり – 日本経済新聞)。

2022年のアメリカのレコードランキングを見ると、アルバム「テイラー・スウィフト – Midnights」が94.5万枚という新譜のレコードがほぼミリオンヒットを記録しています(参考: 🇺🇸レコード販売枚数TOP10(2022年)(インフォグラフィック) | ビジュアルシンキング)。

日本でも「レコード」の売上が少しずつ伸びている状況で、過去にリリースされたアルバムが復刻されたり、新譜のレコード版をリリースするアーティストも増えてきました(参考: 2022年 年間アナログ・レコード売上動向発表 総売上金額が前年比104%に アーティスト別首位は宇多田ヒカル【SoundScan Japan調べ】 | Daily News | Billboard JAPAN)。

CDよりもレコードが良い4つの理由

なぜ音楽を所有するなら「CD」よりも「レコード」の方が良いのかという理由は大きく4つあります。

  1. 音質
  2. 市場価値
  3. 大きくてオシャレ
  4. 寿命

①音質

1つ目は音質で、「CD」よりも「レコード」の方が音が良いとしばしば言われています。

これには諸説アリといったところで、「CD」は44.1 kHz/16bitに圧縮されていることに加えて20kHz以上の音がカットされているといったことから、どこまでいってもデジタルの音はアナログには勝てないと考えている人もいるようです。

また、理論上は「レコード」よりもデジタル音源のハイレゾロスレス(24bit/192kHz)の方が音が良いはずなのですが、なぜか「アナログレコード」の方が音が良いと感じる人もいます。

この辺りは理屈では説明できない何かがあって、私も「Apple Music」で再生するロスレスの音よりも「レコード」の音の方が好きなのです。

ただのプラシーボかもしれませんし、「レコード」にはデジタル音源にはない何かがあるのかもしれません。

②市場価値

2つ目は市場価値で、「CD」よりも「レコード」の方が価格の下落が起きにくいので価値があります。

「CD」は発売してからすぐに中古価格の下落が始まり、1年も経つとかなり安くなるため、「3千円以上で買ったCDがもう千円を下回っていてショック」という経験を誰もがしたことがあると思います。

「レコード」の場合は価格の下落が起きにくく、逆に人気の盤は定価よりも高くなることがあります。

特に、最近は海外からの観光客が日本で「レコード」を買って帰ったり(参考: 外国人客の「爆買い」も レコード人気再燃のなぞ | 毎日新聞)、日本国内でも「レコード」の人気が高まっていることから昔に発売された「レコード」の価格が上昇しているケースもあります。

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なぜ「CD」の価格が下落しやすいかというと、「CD」はパソコンにドライブを繋けば簡単にリッピングして取り込めてしまうことに加えて、「CD-R」に複製することも簡単かつ安価にできてしまうことが関係していると思います(しかも音質が劣化しない)。

「レコード」もやろうと思えば複製が可能ですが、「レコード」に録音するにはカッティング・マシンが必要で、これがなかなか高額ですし面倒です(しかも音質が劣化する)。

「CD」は買ってパソコンに取り込んですぐに売るという人もいると思いますが、「レコード」の場合はそれができないので価格が下落しにくいのでしょうか。

このように、せっかく買って所有するならすぐに安くなってしまう「CD」よりも価格が下落しにくい「レコード」の方が価値があるというわけです。

③大きくてオシャレ

3つ目は大きくてオシャレで、「CD」よりも「レコード」の方が大きいのでインパクトがあり、飾るとインテリアになるのでオシャレです。

「CD」は直径12cm、LPの「レコード」は直径30cmと大きさは2.5倍です。

もちろん、「コンパクト・ディスク」という名前の通り「CD」はあの小ささが画期的で普及したのですが、「CD」で育った世代が初めてLPの「レコード」を見るとその大きさに驚き圧倒されます

また、「レコード」はジャケットが紙で出来ているのもオシャレで、プラスチックケースに入った「CD」よりも良い感じです。

これを象徴するように、「レコード」を買っている若者の半数はレコードプレーヤーを持っていないという話もあるようです(参考: 聴けなくてもレコード購入 – 日本経済新聞)。

④寿命

4つ目は寿命で、「CD」よりも「レコード」の方が寿命が長いというのが一般的な説です。

「CD」は登場してからまだ40年程しか経っていませんが、早速酸化して聴けなくなったという話がチラホラ出てきています(参考: ケースから取り出したらCDが劣化し白濁。30年前のCDが寿命を迎えているかもしれない件| FINDERS|あなたのシゴトに、新たな視点を。)

「レコード」は100年以上の歴史があり、昔の「レコード」も再生できます。

また、「レコード」は多少の傷や汚れであれば物理的に洗えば復活してしまう耐久性の強さがあります。

「CD」は傷をつけてしまったら読み込めなくなってもうおしまいです(研磨で復活できる場合もありますが)。

それよりも、ディスク自体よりCDプレーヤーが壊れやすく、何度もCDプレーヤーを買い替えてきた経験のある人も多いと思います。

レコードプレーヤーは構造がシンプルなので、針さえ交換すれば何十年も使えてしまいます

このように、「レコード」は音質、市場価値、大きくてオシャレ、寿命といった点で「CD」よりも優れています。

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最後に

今回は、『日本の音楽市場の「CD」と「配信(サブスク)」の売上が逆転間近!割合が56:44に【2022年】』についてご紹介しました。

このように、2022年の音楽市場は「オーディオレコード」が56%、「音楽配信」が44%となりました。

これまで日本では「CD」が圧倒的に強く、サブスクなどの「配信」は流行らないと言われていましたが、いよいよ逆転が見えてきたわけです。

このままサブスクの成長が続くと、2020年代は「音楽配信」の黄金時代を迎えることになります。

一方で、日本の「CD」の市場はジャニーズと秋元グループが支えている状態です。

もしも、「サブスクでは音楽の所有欲が満たされない」と感じる場合は、「アナログレコード」を購入するのがオススメです。

果たして、日本の音楽市場は今後どうなっていくのか、目が離せませんね。