日本のテレビは高い!同じメーカーでもアメリカは超安い
最近は「4Kテレビ」が身近な存在になってきました。
BS4K放送が始まったことや、YouTubeやNetflix、Amazon Prime Videoなどで4K配信が行われているため、4Kコンテンツも増えてきています。
極め付けは、4Kテレビの価格が下がってきたことで、特にハイセンスやTCLなどの中国メーカーの参入で4Kテレビの平均価格は更に下がっています。
しかしながら、日本における4Kテレビの価格が下がってきたとは言っても、まだまだ高いのが現実的なところです。
特に、アメリカで販売されているテレビの価格と比べると、日本では同じメーカーのものでもなぜか高くなっています。
一体なぜ、日本のテレビは高いのでしょうか。
日本のテレビは高い

では、実際に「日本で販売されているテレビの価格がどれくらい高いのか」について見ていきましょう。
アメリカと日本のテレビの価格差を調べるために、まずは世界シェア2位の中国メーカーであるTCLのテレビの価格を比較してみます。
「Best Buy」というアメリカでメジャーな家電ショップで値段を調べたところ、TCLの55インチ4K HDRテレビは$299.99や、$329.99で販売されていました(19年12月12日時点)。
一方で、日本における値段を価格.comで調べてみると、TCLの55インチ4K HDRテレビは¥49,800や¥61,071で販売されていました(19年12月12日時点)。
このように、同じTCLのテレビでもアメリカと日本では価格差があります。
TCLのテレビは日米で同じモデルが売られていないのですが、それでも差は明らかです。
ちなみに、アメリカのTCLのテレビは「Roku」が搭載されているスマートテレビで、日本の最安価モデルはOSなしのテレビなので、スマートテレビの有無を考慮してもやはり日本は高いと言えます。
次はソニーのテレビで比較してみました。
アメリカでは「X950G」というモデルの55インチが$999.99、日本では「X9500G」というモデルの55インチが¥166,790となっています(型番が微妙に違うがおそらく中身は同じモデル)。
このように、同じメーカーの同じようなテレビであっても、日本の場合はなぜかアメリカよりも約1.6倍も高くなっています。
ソニーのテレビは、アメリカも日本もどちらも同じ「Android TV」となっていて、当然ながら使われているパネルや映像エンジンなども共通のはずです。
それにも関わらず、日本で販売されているものは1.6倍も高いのはどういうことなのでしょうか。
ソニーの「BRAVIA」は中国の工場で生産されているため、なんなら輸送コストは日本の方が安いはずです。
ましてや日本のメーカーのテレビなので、アメリカよりも日本の方が安く売られてもおかしくなさそうなのですが、いったいどうなっているのでしょうか。
そもそも日本の方が物価は安いはず
そもそもの話として、アメリカよりも日本の方が物価が安いはずです。
日経新聞の記事によると、ディズニーランドの入場料はカリフォルニアの約半額となっていて、日本では¥100のダイソーもアメリカでは約¥162となっています(参考: 価格が映す日本の停滞 ディズニーやダイソー世界最安)。
また、5つ星ホテルの宿泊費や、アマゾンプライム、そしてビックマックの値段も日本はアメリカよりも安くなっています。
アメリカの方が日本よりも物価が高いのは、アメリカの方が賃金が高いので当然のことです。
このように、日本の物価はアメリカと比べてずっと安いはずなのですが、なぜかテレビだけはアメリカよりも高いという珍現象が起こっているようです。
テレビだけなぜ高い?
一体なぜ、物価が安いはずの日本でテレビだけが高いのでしょうか。
そのはっきりした理由は不明ですが、いくつか推測することができます。
理由の1つは、日本のテレビ独自規格である「B-CAS」の存在で、地デジ・BSのチューナーを搭載する全てのテレビはこの「B-CASカード」が必須となっています。
「B-CASカード」を利用するためには、B-CAS社にライセンス料を払う必要があるようなので、その分テレビの代金が値上げされている可能性があります。
もう1つの理由は、日本はアメリカと比べてテレビの販売数が少ないということです。
基本的に商品は多く流通すれば価格を下げられるのですが、日本ではテレビ離れなどの影響で販売数が落ち込み、なかなかアメリカのように販売価格を下げられないのかもしれません。
▼「TCLの4Kテレビ」はこちら
最後に
今回は、『日本のテレビは高い!同じメーカーでもアメリカは超安い』についてご紹介しました。
このように、日本で販売されているテレビはなぜか高く、同じメーカーであってもアメリカの方がずっと安く買えるようです。
日本におけるテレビの販売価格はボッタクリのようなもので、これではテレビの販売数が減ってしまうのは仕方がないのかもしれません。
最近はテレビ離れと言われるように、地上波放送の視聴率が減っているのですが、逆にYouTube、Amazon Prime Video、Netflixなどの動画配信の視聴者は増えています。
そのため、「大きいテレビで動画配信を見たい」という需要はあるはずなので、55インチの4K HDRテレビをアメリカと同程度の3万円台で発売すれば売れると思います。
果たして、これから日本におけるテレビの価格はアメリカのように下がっていくのか、それとも大して変わらないのでしょうか。
今後も日本のテレビ市場から目が離せませんね。