「SDUC」と「SD Express」が発表!HDDやSSDが不要の時代は来るのか?

メモリーカードである「SDカード」の新しい規格となる、「SDUC」と「SD Express」が、米時間2018年6月28日にSD Associationによって発表されました(参考: 容量128TBの「SDUC」と転送速度985MB/秒の「SD Express」をSD Associationが発表)。

「SDUC」は容量における規格で、「SDXC」の上位互換となりexFATフォーマットで最大128TBまでをサポートします。

「SD Express」は速度における規格で、SSDと同じ「PCIe 3.0」と「NVMe v1.3」を採用したことで最大985MB/secの転送速度に対応します。

もちろん、従来の「SDHC」、「SDXC」の規格と「SD Express」を組み合わせることも可能ですし、「SDUC」と「UHS-I」、「UHS-II」、「UHS-III」との組み合わせももちろん、新規格の「SDUC」と「SD Express」の両方に対応する最大128TB、985MB/secのSDカードを作ることも規格上は可能になります。

この「SDUC」と「SD Express」の登場によって、HDDやSSDが不要となる時代はやって来るのでしょうか。

SDUC・SD Expressの登場でHDDやSSDが不要の時代は来る?

SDカードの容量を見ると、現在生産されているSDカードの最大容量は1TBのため(参考: SDカード、ついに1TBの大台に到達。カメラに挿しておけば当分メモリーの心配はいらない)、「SDUC」に対応し2TBを超えるSDカードが登場するのはまだ先になると思います。

速度の面では、現在生産されているものはリード速度が最大300MB/sec程度の「UHS-II」が主流のため、「SD Express」対応の速度624MB/secを超えるSDカードの登場はまだ先になりそうです。

このように、今回発表された「SDUC」も「SD Express」も、あくまで先を見越した規格の制定に過ぎず、これらの技術が実用化されたSDカードが登場するのはまだまだ先の話のようです。

とは言っても、もしも最大容量2TB以上、最大速度624MB/sec以上のSDカードが実現すれば、もはやHDDやSSDなどは不要になってきます。

SDカードはあらゆるHDD・SSDよりもずっとコンパクトなので、外付けストレージはもちろん、パソコンやスマホ、タブレットなどの内部ストレージにもそのままSDカードを搭載してしまうことも可能です。

もちろん、SDカードはHDD・SSDに比べて耐久性の面では劣るかもしれません。リード/ライトを何度も繰り返せば、HDD・SSDより先に壊れてしまう可能性もあります。

また、現状では価格もHDD・SSDに比べてずっと高いです。2018年6月末時点では、512GBのSDカードが安くてもおよそ¥20,000以上はします。この値段のHDDなら8TB、SSDなら2TBが購入できるので、コスパは悪いわけです。

しかしながら、これらのSDカードの「耐久性」と「価格」の問題は、今後10年で劇的に良くなっていくと予想します。

おそらく2028年頃には、高速転送に対応するTB単位のSDカードが手頃な値段で買えるようになっているのではないでしょうか。また、耐久性も良くなっているかもしれません。

そう考えると、「記録媒体の未来はSDカードにこそあり」と言えるかもしれませんね。

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最後に

今回は、『「SDUC」と「SD Express」が発表!HDDやSSDが不要の時代は来る?』についてご紹介しました。

もちろん、これから先の時代になればクラウドストレージの容量も今より拡大していると思います。いずれは月額¥1,000も払えば10〜20TBのストレージが利用できるようになっていくのでしょう。

また、カメラも無線通信を使ってパソコン、スマホ、タブレットに写真や動画を高速転送できるようになっているかもしれません。

そのような時代になってくると、そもそも外部ストレージとしてのSDカードは不要になってくるという可能性もあります。

とは言っても、いつの時代にも映画の撮影などでオフラインで利用できる外部記録媒体が重宝される場所は残っていると思います。そういう場においてSDカードは活躍し続けることでしょう。

SDカードがこれからどんな進化を遂げていくのか、とても楽しみですね。