「有機EL (OLED)」は流行らない?アップルの本命もmicroLEDか
2017年11月に発売された「iPhone X」の生産ペースが、減少を続けているようです(参考: iPhone X、さらに600万台分を減産か〜価格の高さがネック?)。
もちろん、「iPhone X」自体は良く出来た製品ですが、販売の足を引っ張っているとされるのが、新しく採用された「有機EL (OLED)ディスプレイ」です。
この「有機ELディスプレイ」が原因で、販売価格が高くなりすぎ、「iPhone X」のセールスが当初の予想ほど振るっていないとされています。
確かに有機ELディスプレイは、圧倒的なコントラスト比の高さ、薄さ、フレキシブルな構造などが優れているのですが、いかんせん生産コストが高いことや、画面が焼きつくといった特有の問題を抱えていているようです。
そんな背景からか、アップルは2018年モデルの新型iPhoneでは、全体の半分を従来の「液晶ディスプレイ」を搭載したモデルにすると噂されています(参考:今年の新型iPhoneの3機種、生産台数の半分は液晶ディスプレイ搭載モデルに?)。
果たして、有機ELは今後ディスプレイの主役となるのでしょうか、それともこのまま流行らずに終わるのでしょうか。
アップルの本命はmicroLED?
先日、アップルが自社でディスプレイを開発しているという報道が話題になりました。このアップルが開発中とされるディスプレイは、「液晶」でも「有機EL」でもなく、「microLED (マイクロ・エル・イー・ディー)」なのです(参考: Appleがディスプレイの「自社製造」に本格的に乗り出す。画面がちっちゃいApple Watchから搭載か)。
このように、アップルが「microLED」の開発に力を入れているのは、ひとえに「有機ELは本命ではない」という考えがあるからではないでしょうか。
有機ELが得意とする「高コントラスト」や「薄さ」などは、「microLED」でも実現できることに加えて、有機ELの欠点である「画面焼け」や、「輝度が低い」といった問題も解決するためです。
つまり、「有機EL」と「microLED」を比較した結果、「microLED」を採用する方が優位性があり、かつ将来性もあるとアップルは決めたのでしょう。
現在、「iPhone X」や「Apple Watch」に有機ELディスプレイを採用しているのは、「microLED」の準備が整うまでの繋ぎなのかもしれません。
アップルがiPhoneに有機ELディスプレイを採用することで、有機ELの需要が増えると期待されていましたが、当のアップルにとってはそれほど重要ではないのかもしれません。
有機ELはプラズマと同じ末路を辿る?
もちろん、「有機ELディスプレイ」自体は素晴らしい技術ですし、映像もとても綺麗に表示されます。ただ、量産が難しかったり、生産コストが高いという製造面での問題があるのです。
この「有機ELディスプレイ」を見ていると、かつての「プラズマディスプレイ」を彷彿とさせるところがあります。
プラズマも映像は綺麗で、残像感がなく、鮮やかさや黒の描写に優れていましたが、小型化が難しかったり、消費電力が高かったり、液晶と比べて寿命が短かったりと、汎用性の面で劣っていたために、2013年に生産が終了してしまいました。
2020年頃に登場するとされる「microLEDディスプレイ」は、有機ELディスプレイよりも量産が容易とされています。もしかすると、有機ELディスプレイはプラズマと同じ末路を辿り、2020年代のうちに生産が終了してしまうのかもしれません。
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最後に
今回は、『「有機EL (OLED)」は流行らない?アップルの本命もmicroLEDか』についてご紹介しました。
おそらく、「microLEDディスプレイ」は、「液晶ディスプレイ」のように、今後10〜20年に渡って長く使われていく技術だと思います。アップルもそう考えて、いち早く自社生産に乗り出したのではないでしょうか。
「microLEDディスプレイ」は、2020年頃に搭載された製品が販売されるとされています。
果たして、次世代ディスプレイの勝者となるのは、「有機EL」か、「microLED」か、はたまた「液晶」が引き続き使われ続けるのか、今後も目が離せませんね。