もしもシリコンバレーがなかったら、今頃世界はどうなっていた?
シリコンバレーといえば、アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコから南に広がるIT企業の集まる地域全般を指す言葉です。
このシリコンバレーには、アップル、グーグル、フェイスブック(インスタグラム)、インテル、エヌビディア、ヒューレット・パッカード、ウーバー、エアビーアンドビー、ネットフリックスなど、今世界で活躍している名だたるIT企業たちの本社があります。
シリコンバレーの歴史は、1961年にスタンフォード大学の卒業生が創設したヒューレット・パッカードから始まったと言われています(諸説あり)が、もしもシリコンバレーがなかったら、今の世界は大きく変わっていたのかもしれません。
アメリカ経済は衰退していたかも?
今のアメリカ経済を牽引しているのは、間違いなくアップルやグーグルなどのIT企業です。
世界時価総額ランキングトップ10のうち6社はIT企業であり、3社はシリコンバレーの会社なのです(参考: 世界時価総額ランキング)。
また、シリコンバレーからは今もウーバーやエアビーアンドビーのような新興企業が次々と生まれていて、世界のあり方を大きく変えています。
今やインドのIITを卒業した優秀なエンジニアは、こぞってシリコンバレーを目指すという話もありますし、シリコンバレーに世界中から優秀な人材が集まっているのは紛れも無い事実です。
このように、シリコンバレーは今のアメリカ経済を大きく支えているのため、もしもシリコンバレーがなかったら、今のアメリカ経済はもっと衰退していた可能性もあるのです。
かつてアメリカを支えていた自動車産業は日本とドイツに駆逐され、家電産業も日本や韓国、中国に支配されてしまいました。
もはや今のアメリカに残された主要産業は、軍事と金融、そしてITしか残っていないのです。
スマートフォンは生まれてなかったかも?
現代はスマートフォンが世界を大きく変えていますが、そもそも今のタッチUI型のスマートフォンは2007年にアップルが発売したものが始まりです。
その後、2008年にはグーグルがAndroidをリリースし、スマートフォンは瞬く間に全世界に広がりました。
「今のスマートフォンは誰が作ったの?」という疑問には、アップルとグーグルが作ったと答えるしかありません。
もちろん、iPhone以前にもブラックベリーやノキアなどのフルキーボードを搭載したスマートフォンと呼ばれるものはありましたが、タッチUIではないことや、共通のOSが採用されてなかったことから、今のスマホより日本のガラケーに近い印象でした。
つまり、もしもシリコンバレーがなかったら、スマートフォンは生まれていなかった可能性があるのです。
ひょっとすると、人々は今もガラケーの進化版のようなものを使っていたかもしれませんね(それはそれで興味がありますが)。
中国が世界の中心になっていたかも?
もしもアメリカのIT産業が成長せず、スマートフォンも登場していなかったら、中国が世界の中心になっていたかもしれません。
現在のアメリカのGDPは、中国に7兆ドル以上の差をつけていますが、この差ももっと縮まっていたか、もしくはとっくに追い抜かれて可能性もあります。
もしもシリコンバレーがなかったら、中国が世界経済トップの国になり、今よりも国際的に強い影響力を持っていたかもしれません。
そのことが良いか悪いかは一概には言えませんが、世界情勢は今と違うものになっていたことは間違いでしょう。
最後に
今回は、「もしもシリコンバレーがなかったら、今頃世界はどうなっていた?」についてご紹介しました。
もちろん、シリコンバレーがアメリカの全てではありませんし、逆にシリコンバレーの新興企業のせいで新しい問題が浮上しているケースもあります。
ウーバーの普及は既存のタクシー産業を破壊したり、ドライバーとユーザーとの間のトラブルも発生しています(参考: それでもあなたは利用する?トラブル続きの配車サービス「Uber」)。エアビーアンドビーも、部屋で迷惑行為をするゲストや、逆にホストが人種を理由に利用を断るといったトラブルも起きているようです(参考: Airbnb(民泊)利用で起こったトラブル事例と解決・回避方法)。
新しいことにはトラブルはつきものなのですが、シリコンバレーの進化速度が速すぎて利用する人たちが追いつけていない感はあります。今シリコンバレーで開発が活発なAIや自動運転も、おそらく嵐いトラブルを引き起こすかもしれません。
とはいっても、シリコンバレーのおかげで私たちの生活が便利になっているのは事実ですし、新しいものは人をワクワクさせます。これからシリコンバレーからどんなテクノロジーが生まれるのか楽しみですね。