テスラ、100MWの世界最大バッテリー開発!豪州の電力問題解消なるか
電気自動車を手がけるテスラは、世界最大規模となる、100MWのリチウムイオンバッテリーシステムの開発に成功したそうです(参考: テスラ、世界最大のバッテリーを設置 豪州)。
これは、電力供給不足に陥っていたオーストラリアのサウスオーストラリア州が、テスラにバッテリーシステムを受注していたものです。
2017年の3月にテスラCEOのイーロン・マスクが、サウスオーストラリア州の問題に対して、「100日以内に解決できる」とツイートし、7月には正式にサウスオーストラリア州と契約されました。そして、11月に遂にそのバッテリーシステムが完成したというわけです。
果たして、この世界最大規模のバッテリーシステムは、サウスオーストラリア州の電力供給不足問題を解決することができるのでしょうか。
再生可能エネルギーの可能性を示せるか
そもそもサウスオーストラリア州が電力供給不足に陥った背景には、再生可能(クリーン)エネルギーを推進したためという、前向きな失敗が関係しています。
サウスオーストラリア州は、それまで主流だった火力発電に代わって、州の電力供給の40%をクリーンな風力発電へ切り替えました。
ところが、風力発電は天候が悪化すると思ったように稼働せずに、サウスオーストラリア州は頻繁に停電に陥る事態になってしまいます(参考: オーストラリア南部の州全土が停電、再生エネルギーに過度の依存へ疑問符)。
この流れを受けて、再生可能エネルギーは使い物にならないという風潮も出ていましたが、ここでテスラがバッテリーシステムの開発に着手したわけです。
テスラのバッテリーシステムは、フランスの再生エネルギー企業と協力し、停電時にはサウスオーストラリア州の30,000世帯への電力供給を可能にするとしています。
12月1日までに本格的に稼働が開始される予定で、テスラのバッテリーシステムによって停電がなくなるのか、世界中が注目しているわけです。
最後に
今回は、「テスラが100MWのバッテリーを開発と、豪州の電力問題は解決されるのか」についてご紹介しました。
環境政策に対する意識はあらゆる国で高まってきていますが、まだ本格的に再生可能(クリーン)エネルギーにシフトできた国はありません。
もしも、テスラのバッテリーシステムによって、サウスオーストラリア州の停電問題が解消されれば、クリーンエネルギーの将来は明るくなります。
太陽光や風力発電といった、クリーンエネルギーは、原子力や火力に比べて発電量が弱いことが欠点でしたが、バッテリーシステムを使って蓄電することが可能になれば、その欠点もある程度補うことが可能になるとされています。
果たして、テスラのバッテリーシステムは、サウスオーストラリア州の電力供給問題を解決し、クリーンエネルギーの有用性を証明することができるのでしょうか。今後の動向から目が離せませんね。