iTunes Storeのアイコンが変わったのは、音楽配信終了の布石?

iOS 11より、「iTunes Store」のアイコンは全く新しいものへと変更されました。

従来のアイコンは、丸の中に音符という、音楽配信を強調したものでしたが、新しいアイコンは星のみというシンプルなものに変わっています。

一体なぜ、アップルは今になってiTunes Storeのアイコンを変更したのでしょうか。

今回は、iTunes Storeのアイコンが変更された理由について考えていきましょう。

Apple Musicとの混同を避けるため?

iTunes Storeのアイコンが変更された理由として、まず初めに考えられるのは、「Apple Music」との混同を避けるためということです。

従来のiTunes Storeのアイコンは、音符印をかたどったもので、定額ストリーミングであるApple Musicのアイコンととても似ていました

そのため、ユーザーから「iTunes StoreとApple Musicは何が違うんだ」という混乱を招いた可能性があります。

そして、アップルとしては今後Apple Musicの加入者を増やしていきたいという考えなので、今回iTunes Store側のアイコンを大きく変更して、音楽イコールApple Musicという分かりやすい構図にしたかったのかもしれませんね。

このように、iTunes StoreとApple Musicを差別化するためにアイコンが変更されたというのが、理由の1つとして考えられます。

新しいiTunes StoreのアイコンはiMovieに似ている

新しいiTunes Storeのアイコンは、従来の音符印から星印のものへ変更になって、音楽の要素はすっかり消えてしまいました

ここで、「なぜ星にしたんだろう?」という疑問が浮かぶのですが、そのヒントは、「iMovie」にあります。

iMovieはアップルが提供する動画編集アプリなのですが、このiMovieのアイコンと、新しいiTunes Storeのアイコンがとても良く似ているのです。

動画編集アプリであるiMovieに「」のアイコンを採用していることから、アップルの中では「星イコール動画」という独自の意味づけがあるのかもしれません。

そして、新しいiTuens Storeが動画を意味する「星」のアイコンになったことは、今後のiTunes Storeは音楽よりも動画に力を入れていくことを意味しているかもしれないのです。

音楽配信を終了し、映画配信に一本化する布石?

iTunes Storeは、2017年の9月から「4K HDR」に対応した映画の配信を新たにスタートさせました。

また、過去に購入済みのHD映画も、対応次第自動的に4K HDR版へアップデートされるという神対応ぶりで、アップルが映画配信にとても力を入れていることが分かります。

一方で、2000年代に音楽業界に革命を起こしたiTunes Storeの音楽配信は、徐々にフェードアウトしつつあります。

iTunes Storeの音楽配信は2013年頃をピークに減少を続けており、さらに自社の定額ストリーミングである「Apple Music」がその減少に拍車をかけています(いわゆる共喰い)。

当のアップルもこのことは承知しているようで、iTuens Storeの音楽配信ページを開いても、トップはApple Musicのオリジナルコンテンツを紹介するバナーや、Apple Musicへの加入を促すバナーで張り巡らされています。

これはもはや、まだ既存のiTunes Storeの音楽配信を利用しているユーザーに、「早くApple Musicへ移行してくれ」と促しているようにしか見えません。

このように、iTunes Storeにおける音楽配信は終了し、映画配信に一本化される日は近いのかもしれませんね。

最後に

今回は、「iTunes Storeのアイコンが変わったのは、音楽配信終了の布石なのか」についてご紹介しました。

もちろん、アップルは「iTunes Storeの音楽配信は終了させない」と公言しているようですが、少なくとも今後は音楽配信の規模を縮小し、Apple Musicへの移行を促していくことは間違いありません。

そもそも曲を意味する「tune」がサービス名に使われているに、音楽配信を縮小していくことには矛盾が生じるので、いずれはApple Moviesなどへ名前が変更される可能性もあります。

このように、iOS 11でiTunes Storeのアイコンが変更になったことは、映画配信により力を入れていくというメッセージなのかもしれませんね。