Apple TVの市場シェアが10%に縮小。4K対応モデルで挽回できるか

新しい4K対応モデルの発表を噂されている「Apple TV」ですが、現状の市場シェアは芳しくないようです。The Vergeの記事によると、Apple TVの米国市場シェアは前年の19%から10%へ縮小したそうです(参考: Apple TV is losing badly to Roku and Amazon in the living room, survey finds)。メディアストリーミング市場の首位は変わらずRoku(ロク)の37%ですが、最近は成長が鈍化しているようです。代わりに急成長を遂げているのが、アマゾンの「Fire TV Stick」で、市場シェアは16%から24%に成長しています。ちなみにグーグルのChromecastは21%から18%へシェアを落としています。果たして、Apple TVは市場シェアを取り戻すことができるのでしょうか。

Apple TVは市場シェアを取り戻せるのか

Apple TVの市場シェアがここまで減少している最たる原因は、「価格の高さ」にあると思われます。競合するロクやアマゾンは$30や$40といった破格で販売していますが、Apple TVは$149と強気な値段設定になっています。もっとも、Apple TVも第3世代モデルまでは$90程度で売られていたので、そこまで極端な価格差はなかったのです。しかし、第4世代モデルからスペックアップとOSの刷新、リモコンに加速度センサーやリチウムイオン電池を搭載したことで本体価格が跳ね上がってしまいました。悲しいことは、Fire TV Stickの3倍以上する価格のくせに、使えるサービスはほとんど共通しているということです。要するに、今のApple TVはコスパが悪いのです

ここでApple TVに挽回のチャンスがあるとすれば、4K対応モデルのリリースで第4世代モデルを大幅に値下げすることです。さすがに$40は無理だと思いますが、せめて第3世代と同程度の$90~$99程度に値下げすれば、購入してくれるアップルファンもいるはずです。そして、4K対応モデルは現行の$149で販売し、コスパの高い4K再生機器として売り出すのです。そうすることで、ライト層とコア層を獲得できるチャンスが生まれるかもしれません。

最後に

今回は、「Apple TVの市場シェア縮小を第5世代モデルで挽回できるか」についてご紹介しました。Apple TVも一応はアップル製品なので、なんやかんやで他社製品より動作が安定していますし、アプリも豊富でセキュリティ面も安心というメリットがあります。このように、Apple TVはモノ自体は優れているので、あとはセールスの仕方次第で市場シェアを回復できるチャンスがあるのではないでしょうか。ともあれ、次の4K対応Apple TVが、ユーザーの心を掴むほど魅力的な製品になるかどうかが重要になりそうですね。