テスラがフォードの時価総額を抜く。時代の転換期か

フォードといえば、1903年にアメリカで創業された自動車メーカーです。

1908年から量産された「フォードT型」は、当時大衆の乗り物として主流だった「馬車」を駆逐し、世界にガソリンで動作する「自動車」を普及させました。

まさにフォードは自動車の祖であったわけです。

そんな老舗自動車メーカーであるフォードが、2003年に創業されたEV(電気自動車)ベンチャー企業の「テスラ」に時価総額で追い抜かれたことが4月3日(米時間)に明らかになりました(参考: TechCrunch Japan)。

今回の株式市場の背景


時価総額が逆転したと言っても、テスラがフォードの生産能力を上回ったわけではありません。

テスラの2016年の出荷台数はたったの7万6,000台ですし、いまだに赤字を計上し続けています。今回の株式市場の背景には、フォードの一部車種がリコールになったことと、テスラの第1四半期の売り上げが過去最高だったという2つの要因が重なったためだそうです。

テスラの株価は2016年の後半から高値を更新し続けているそうで、おそらく今年発売を予定している新型の「モデル3」が登場するまでは続くと見られています。

テスラは次のフォードになれるのか


フォードはかつて量産モデルの「T型」で世界を席巻しました。

そして今度はテスラが$350のEV「モデル3」で世界に挑もうとしています。かつてT型が「馬車」を駆逐したように、今度はモデル3が「ガソリン車」を駆逐することになるのでしょうか。

もちろんEVそのものがこのまま大衆に受け入れられずに消えていくという可能性もまだ残っています。

充電に30分もかかるものを乗用車として受け入れられないというユーザーも多いかもしれません。

テスラにとって、2017年は社運をかけた勝負の年になることは間違いなさそです。

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最後に

フォードの例から分かるように、どれだけ繁栄を極めた超大企業もいずれは新しいものを生み出せなくなって力を失っていくということです。

今は繁栄を謳歌しているアップルやグーグルも、いずれは衰退することになるのかもしれません。

大切なのは、「これまで」どうだったかではなく、「これから」どうなるかを常に見ることではないでしょうか。

フォードはこれまで偉業を成し遂げてきましたが、これから先はどうなるでしょうか。

テスラはまだ大した販売実績はありませんが、これから主流になるかもしれないEVやバッテリーの量産体制を着実に揃えてきています。

今の業績は過去の結果ですが、未来の業績は今の結果で決まるのではないでしょうか。