原点回帰!? 新しい廉価版「iPad」が大アリな理由
3月21日(米時間)、アップルは新しい「iPad」をウェブサイト上で公開しました。新製品の名前はただの「iPad」です。iPad AirでもiPad Proでもない無印のiPadがリリースされるのは2012年の第4世代iPad以来です。果たしてなぜアップルはこのような製品を発表したのでしょうか。
新しいiPadとは
新しいiPadは、2013年に発売された「iPad Air」をベースに、プロセッサーをA9に一新し新たにTouch IDの搭載を行いつつも、製造コストを抑え低価格化を実現しています。価格は9.7インチシリーズで歴代最安価となる37,800円(税別)です。ディスプレイのコーティング仕様や重量、厚さはAir2やProより劣っているため、従来のiPadユーザーの買い替えよりも新規ユーザーを狙った製品に思えます。
一般ユーザーにも手が届きやすくなったiPad
最近のiPadシリーズは機能の複雑化と高価格化からか、徐々に一般ユーザーが離れている印象でした。「iPadとiPad Airは何が違うの?」、「iPad AirとiPad Proは何が違うの?」と一般ユーザーは混乱をきたしていたのかもしれません。その傾向は販売台数にも顕著にあらわれていて、2014年以降iPadのセールスは減少を続けています。そこで今回思い切って製品名から副題とナンバリングを外し、ただの「iPad」にしたのは正解だったと思います。これにより製品ラインナップがシンプルになり、ユーザーは製品を選びやすくなります。さらに価格も安くなったので、これからiPadを買いたいという人も増えるかもしれません。
実はiPad ProよりもAir2の方が売れていた!?
実はiPad Proがリリースされた後も、旧製品であるAir2やmini4の方が多く売れていたというニュースが話題になりました(参考: 9to5Mac)。このようにiPadにキーボードやスタイラスを求めているユーザーは案外少数で、それよりもより安いふつうのiPadを求めていたユーザーの方が多かったようです。
iPadにキーボードもスタイラスもいらない!?
iPadを欲している多くのユーザーは、キーボードやスタイラスのような追加機能よりも、より安価でちゃんと動くiPadを求めています。ユーザーがiPadを使う用途は、動画の視聴や、子どものゲーム機、学校の授業用、お店のディスプレイ用、会社の業務用などです。結局キーボード入力はノートPCの方が向いているのかもしれませんし、スタイラスもペンタブを使った方がいいのかもしれません。無理をしてiPad Proを買うよりも、廉価版のiPadと、型落ちのMacBook Airを買う方がより賢い選択なのかもしれませんね。
iPad Pro 10.5はどうなった?
かねてから噂されていた10.5インチのiPad Proはいまだに登場していません。もし今後10.5インチのiPad Proが登場するとしたら、廉価版と被るiPad Proの9.7インチモデルは廃止されるかもしれません。iPadが9.7インチ、iPad Proは10.5と12.9インチの2モデルになることで、よりシンプルで分かりやすいラインナップになるのではないでしょうか。
最後に
今回の新しい「iPad」は低迷していた販売台数を回復させるかもしれません。最新のiPadが3万円台で入手できるというのはとても魅力的です。iPhone SEのように、価格を抑えてそれなりに高い性能の製品を提供するのはアリだと思います。もちろんiPad Proのようなハイエンド路線を求めているアップルファンも多いので、ハイエンドモデルとエントリーモデルの2つを併売するのがベターなのかもしれません。以前からiPadに興味があったあなたも、今回の新モデルを機にiPadデビューしてみてはいかがでしょうか。