アップルやグーグルが銀行になる日

2016年に満を辞してApple Payが日本に上陸しました。その後もグーグルのAndroid Payも上陸して、まさに2016年は日本においてフィンテックの時代が幕を開けた年でした。そんなApple Payなどの利用に共通して必要になるのが、「口座」です。どれだけフィンテックの時代になったといっても、口座だけは自分で探し出してどこかで作る必要があります。もちろん現代は楽天銀行やイオン銀行、ソニー銀行などのオンラインバンクが充実しているため、昔のように銀行の支店に通って面倒な手続きをする必要がなくなりました。

とはいっても、Apple Payを利用するためにどこかの口座を開設してカードを発行するのはやはり面倒なわけです。クレジットカード大国のアメリカであれば問題ないかもしれませんが、現金主義の日本においては、クレジットカードすら持っていない人も少なくありません。

アップルやグーグルが口座を持てばいい


そこでこの面倒な問題の解決のために、アップルやグーグルが直接オンライン口座を持ってしまえばいいのです。アップルIDやグーグルアカウントに直接紐付けされた口座があれば、どこかで口座をつくってくる必要がなくなります。そして作ったカードが対応していなかったということもなくなりますし、そもそも磁気カードを発行する必要もなくなるのです。これからあなたのスマホそのものが通帳となり、クレジットカードになるのです。そうすればiMessageやGmailで簡単に送金処理を行うこともできます。

IT企業が銀行業務を行うのは簡単?


では実際にIT企業が銀行業務を行うのは簡単なことなのでしょうか。結論からいうと、とても簡単です。ましてやアップルやグーグルほどの超大企業ならなおさらです。IT企業の銀行業務といえば、20oo年代前半に登場したPayPalが有名です。アメリカではPayPalは実際の銀行のように口座を持っていて、入出金することが可能ですし、簡単に送金もできます。アップルやグーグルがちょっとPayPalを真似して口座を持ってしまうことなんていともたやすいでしょう。ましてやクレジット決済の機能までつけてくれれば、アップルバンク、グーグルバンクの誕生です。

最後に


フィンテックと呼ばれる時代はまだまだ始まったばかりです。これからはスマホが銀行の通帳やクレジットカードとなり、インターネットのクラウドが口座になるのです。これは銀行というものが世に誕生してから初めての転換期かもしれません。まだ黎明期ということもあって、サービス導入の手順が面倒なのも事実です。この面倒さを取り払ってもっとシンプルにしていかなければ、今後フィンテックが私たちの生活に定着することは難しいかもしれません。そのためには、やはりアップルやグーグルが直接口座を持ってしまうことが急務なのかもしれませんね。