アマゾンGOのシステムは他社にもライセンスされるのか
アマゾンは自社の技術を積極的に他社に提供しています。クラウドサービスの「AWS」や、人工知能の「アレクサ」、そして「Fire TV」などです。ネットフリックスはアマゾンのAWSを使っていますし、ファーウェイなどのスマホにもアレクサが搭載されます。そして中国のテレビメーカーSeiki、Westinghouse、Element Electronicsから「Fire TV」の機能を内臓した一体型テレビが発売されます。ついには、2017年から運営が開始される「アマゾンGO」のシステムもまた、あらゆる店舗に提供されるかもしれません。
あらゆる店がレジなしになる?
もしもアマゾンGOのシステムが他社にもライセンスされるようになればどうなるでしょうか。店側はカメラやセンサーなどといった必要なハードウェアを揃えて、アマゾンに一定の使用料金を払うだけで、夢のようなレジのない店舗を実現できるようになります。すると瞬く間に近所のスーパーやコンビニ、あるいはショッピングモールでさえも、「レジがない」ということが当たり前になるのかもしれません。アマゾンにとっても、「アマゾンGO」の店舗を全世界に展開するよりも、システムだけ貸し出してライセンス料をもらう方が低コスト、低リスクで高い収益を上げることができて効率がいいわけです。ちょうどWindowsやAndroidのように世界中に導入されるわけですね(Androidはオープンソースですが)。そのためこれは十分にあり得る話かもしれませんね。
最後に
「アマゾンGO」がどこまで便利なのか、どこまで人々の生活に浸透するのかは実際に始まってみなければ分かりません。もしもとんでもなく便利で、従来のレジありの生活に戻れないレベルになるならば、「アマゾンGO」は瞬く間に世界に進出する可能性があります。そうなればアマゾンはほぼ間違いなくシステムをライセンスする道を選ぶでしょう。ショッピングモールでの店舗や、空港の免税店、スーパー、コンビニ、ありとあらゆる店舗に「レジレス」のシステムが導入され、入り口には駅改札のようなゲートが設けられることになります。これによって、犯罪者の侵入を未然に防ぐことができますし、万引きや盗難、強盗の被害を減らすことができるかもしれません。未来人が現代の店舗を見たとき、「なんと無防備で危険なんだ」と思うかもしれませんね。私たちの生きている現代は、すでに古ぼけた過去のものになっているのかもしれません。